2012年02月29日

鹿児島に託された桜

 昭和40年に、熱海で造園業をしていた石井武夫さん(故人)が伊豆半島の山中で発見した
早咲きの桜「伊豆の踊子」。

石井さんは接ぎ木をしながら少しずつ増やし、この桜を「伊豆の踊子」と命名。

東海地方の地震の怖さを体験された石井さんは昭和50年に、丹精込めた桜に被害が及ぶのを恐れて、
鹿児島県は日置市吹上町に「伊豆の踊子」を携えて移住。

南九州に運ばれた「伊豆の踊子」の若木は立派に根付き、花を咲かせるまでに成長。

しかし重い病に倒れ身体の自由が利かなくなり、
「手入れができずに荒すより、多くの人に鑑賞してもらった方が桜も喜ぶ」という石井さんの志で
平成13~14年に指宿市山川岡児ヶ水にあるフラワーパークに全ての「伊豆の踊子」を移したのです。

石井さんは、フラワーパークで根を生やし、立派に花を咲かせる愛する花たちを見届け、
平成18年に天国へ旅立たれたとのこと。

よく似た河津桜より一週間ほど開花時期が早く、あまり背が高くならずに横に大きく枝を張るなどの
相違点があるそうです。

河津桜が全国に広く普及し、よく知られるようになったのに対し、「伊豆の踊子」はそのほとんどの株を
フラワーパークが所有し、広く知られているとはいえません。(南日本新聞の記事より抜粋)

開花時期になると歳時記として必ず地元新聞に載ります。

27日友達を誘って、「伊豆の踊子」に会いに行ってきました。
鹿児島に託された桜

鮮やかなピンク色の花びらは長期間散らずに約一ヵ月間もの間鑑賞出来るのが特徴だそうです。
鹿児島に託された桜

ご年配のご夫婦がゆっくり歩きながら鑑賞していました。
お天気が良くて、風もなく温かくさえ感じる、花見にはもってこいの肌持ちでした。
鹿児島に託された桜

鹿児島に託された桜

ハチたちが花から花へと大忙し、美味しい蜜なのでしょう。メジロもたくさん集まって来るのだそうです。

ミモザとの競演も!
鹿児島に託された桜

美しい花を見る事が出来るのは、お世話する人たちの存在も忘れてはなりません。
鹿児島に託された桜

フラワーパークですから、こんな花たちも。地植えのクリスマスローズ。
鹿児島に託された桜

みつまたの花。
鹿児島に託された桜

アロエの一種。
鹿児島に託された桜

チューリップも満開。
鹿児島に託された桜

鹿児島県の最南端近くに位置する「フラワーパークかごしま」は天然の松林に囲まれた地形を生かし、
36.5ヘクタールの広大な敷地に世界各地の植物が楽しめる植物公園です。
鹿児島に託された桜

園入り口の「あこう」の木。
鹿児島に託された桜

園内の高台にある展望回廊から望む春の海。
鹿児島に託された桜

穏やかな春の陽を浴びながら、満開の「伊豆の踊り子」やたくさんの花たちに会えて、
美味しい空気をたっぷり味わえた一日でした。

何と明くる日は雨降り、日頃の行いが良い?せいでしょうか。




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Posted by マーサ at 11:30│Comments(8)おでばい
この記事へのコメント
初桜折しも今日はよき日なり

さまざまのこと思い出す桜かな

芭蕉
Posted by さつまどり at 2012年02月29日 11:41
 さつまどりさん、こんにちは~♪

思うに桜という花は日本人の気質にぴったりなのでは。

同じ桜の木でも咲く花に、観る人は年ごとに違う思いで目にします。

秋の入学式がいいのでしょうか・・・・・。
Posted by マーサ at 2012年02月29日 13:09
何ごとにも季節感が失われてきているのが日本人が愚民化している何よりの原因のように思います。

ゆとり教育という詐欺紛いの言葉が出て来るずっと前 欧米諸国から エコノミックアニマル ウサギ小屋に住んでいると 蔑まれていた頃は 我が国は 彼の国々と肩を並べていました。

我々の先人は 国土も資源も乏しい我が国は 猛烈に愚直に働くしかないと分かっていたのです。

秋入学にして欧米に倣ったとしても 何も変わらないでしょう。

散る桜 残る桜も 散る桜 良寛
Posted by さつまどり at 2012年02月29日 13:43
 さつまどりさん、再び今度はこんばんは~♪

全く同感です!。

例えば夏の野菜、冬の野菜がオールシーズン食べられる。
このことが「待つ」という忍耐力を削いでいるように思います。
大袈裟でしょうか?。
何でもいつでも手に入れる事が出来るので、思い悩むこともない。
創意工夫という言葉もお飾りに。

実は私としてはこの年齢になって、ある意味大助かり?なんです。
でもこれから出来あがって行く人達には決してイイとは思いません。

職人技は別として、昔の人がふつうにやっていた事が、特別な事になったり、
又他人事になったり・・・・・。

真夏に冬の、真冬に夏の野菜が食べられなくて何の不都合が?と思います。

悪い癖で180度話が変わります。ごめんなさい。
NHK BSでアフリカはタンザニア?の原住民のライフスタイルをルポっていましたが、見られました?。年に6回ほど移動する狩猟民族で究極のシンプルライフ。電気も水道もなし、住居は鳥たちが巣を作るのに似た感覚。現代文明も目に耳に届くのにぶれないライフスタイル。
自然の恵みのみの食生活。なのに栄養的には完璧!。
視力はダントツ、薬草の知識はばっちり!。
大自然を畏れ敬い、大自然に抱かれて生きる、大きなショックを受けました。
移動する時は風呂敷ひと包みの家財道具のみ・・・・・。
それに引き換え自分は何なの、と頭を抱えるほどの大ショック!。
でもちゃんと衣服はそれなりに着用していたので、交易はあるのでしょう。

何も同じ生活をとは思いませんし又できませんが、便利になればなるほど
何かを失う気がしてなりません。イエもう失っています。
Posted by マーサマーサ at 2012年02月29日 19:42
おはようございます。

インド人の牛飼いは子供を良い牛飼いになるべく育てるといいます。

お隣の韓国もそうだということですが 以前の我が国も学歴社会が熾烈を極めました。

資本主義経済の自由競争社会ですから仕方のないことだと思います。

国は違えど 子を思う親の気持ちに差違は無いであろうからです。

小国寡民が理想に思います。

隣国相望み、鶏犬の声相聞こえて、民は老死に至るまで、相往来せず。

八雲は文明開化後の我が国に疑問を感じ、下駄の音をうるさいと耳を塞ぎ 江戸情緒を色濃く残す松江の町並みを愛しました。

なかった昔には戻れないといいます。

機械あれば必ず機事あり。

我々の未来は機械に振り回されるべく 決まっているのです。

嗚呼。
Posted by さつまどり at 2012年03月01日 08:22
一足早く、春を堪能させていただきました。

こちらは、異常気象です。
梅もとっくに咲いていていいのにまだつぼみです。

伊豆の踊子という桜、かわいいですね。ピンクが濃くて。
いつか見に行きたいと思います。

河津桜の親戚なのかしら。

やっぱり鹿児島はあたたかそうです。
Posted by つつじ at 2012年03月01日 10:49
 つつじさん、こんにちは~♪

関東は寒そうですね。たった今横浜の友達から昨夜は雪だったと℡が・・・・・。

「伊豆の踊子」はオオシマザクラの突然変異種と考えられているそうです。

河津桜より発見されること10年遅れて、発見された伊豆ではなく鹿児島の南端に。

是非「伊豆の踊子」に会いにいらしてください!。

春が早く列島を北上して行きますように。
Posted by マーサ at 2012年03月01日 12:04
 さつまどりさん、日めくりでこんにちは~♪

産業革命を思い出しました!。

英国のコッツウォルズ地方に、産業革命に背を向けたいろんな職種の人達が移り住んだところがあるそうです。そして今も頑なに手作りを・・・・。

培われた職人技の銀食器は、とても使い易いのだとか。日本にもありますよね。

でも、たった一人とか一軒になってしまったとか、何ともお寒いことで・・・・・。

住み分けって困難なのでしょうか。

資本主義の行きつく先は、アメリカが手本?。

なかった昔に戻れないのなら、あった昔にはどうなのでしょう?。
Posted by マーサ at 2012年03月01日 12:22
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