昭和40年に、熱海で造園業をしていた石井武夫さん(故人)が伊豆半島の山中で発見した
早咲きの桜「伊豆の踊子」。
石井さんは接ぎ木をしながら少しずつ増やし、この桜を「伊豆の踊子」と命名。
東海地方の地震の怖さを体験された石井さんは昭和50年に、丹精込めた桜に被害が及ぶのを恐れて、
鹿児島県は日置市吹上町に「伊豆の踊子」を携えて移住。
南九州に運ばれた「伊豆の踊子」の若木は立派に根付き、花を咲かせるまでに成長。
しかし重い病に倒れ身体の自由が利かなくなり、
「手入れができずに荒すより、多くの人に鑑賞してもらった方が桜も喜ぶ」という石井さんの志で
平成13~14年に指宿市山川岡児ヶ水にあるフラワーパークに全ての「伊豆の踊子」を移したのです。
石井さんは、フラワーパークで根を生やし、立派に花を咲かせる愛する花たちを見届け、
平成18年に天国へ旅立たれたとのこと。
よく似た河津桜より一週間ほど開花時期が早く、あまり背が高くならずに横に大きく枝を張るなどの
相違点があるそうです。
河津桜が全国に広く普及し、よく知られるようになったのに対し、「伊豆の踊子」はそのほとんどの株を
フラワーパークが所有し、広く知られているとはいえません。(南日本新聞の記事より抜粋)
開花時期になると歳時記として必ず地元新聞に載ります。
27日友達を誘って、「伊豆の踊子」に会いに行ってきました。
鮮やかなピンク色の花びらは長期間散らずに約一ヵ月間もの間鑑賞出来るのが特徴だそうです。
ご年配のご夫婦がゆっくり歩きながら鑑賞していました。
お天気が良くて、風もなく温かくさえ感じる、花見にはもってこいの肌持ちでした。
ハチたちが花から花へと大忙し、美味しい蜜なのでしょう。メジロもたくさん集まって来るのだそうです。
ミモザとの競演も!
美しい花を見る事が出来るのは、お世話する人たちの存在も忘れてはなりません。
フラワーパークですから、こんな花たちも。地植えのクリスマスローズ。
みつまたの花。
アロエの一種。
チューリップも満開。
鹿児島県の最南端近くに位置する「フラワーパークかごしま」は天然の松林に囲まれた地形を生かし、
36.5ヘクタールの広大な敷地に世界各地の植物が楽しめる植物公園です。
園入り口の「あこう」の木。
園内の高台にある展望回廊から望む春の海。
穏やかな春の陽を浴びながら、満開の「伊豆の踊り子」やたくさんの花たちに会えて、
美味しい空気をたっぷり味わえた一日でした。
何と明くる日は雨降り、日頃の行いが良い?せいでしょうか。