十三回忌
三十数年前入社した時、当時の私の係長だった方の十三回忌に有志で集まるから、
と声をかけて頂いた。
享年59歳、強烈な個性の持ち主でした。異動になるまでの四年近い間、上司と部下の関係。
頭の中に計算機を内蔵?しているのではと、数字に弱い私は彼の前に行くと青菜に塩状態。
物に対しても人に対しても好き嫌いがはっきりしていて、口が悪く、しかも有無を言わさず
部下を働かす能力は抜群。緊張感溢れる職場でした。
こう書くと、「鬼係長」のようですが、大変な状態にある時は、部下のために身体を張る?一面を
持ち合わせる方でもありました。逃げ道?も準備してくださって・・・・・。
あの当時彼は30代、よく天文館(鹿児島の繁華街)に飲みに行くものでした。
飲み方も個性的で、必ずビールは「キリン」のもの、肴は「水イカの刺し身」のみ。
これ以外の飲み方を見たことは無かった・・・・・。
酔っぱらうとケンカも・・・・・。話題に事欠かない方でもありました。
回忌の場所は決まって彼がよく通っていた名山掘(旧い飲み屋街)のおでん屋の二階。
奥様とご長男さんの出席で15名ほど集まりました。
まだ現役で働いている人、リタイアした人の席で、話題に事欠かなかった人の十三回忌は
ご遺族の前でも終始、遠慮などどこ吹く風?のムード。
強烈な個性の持ち主は、簡単には忘れ去られる人ではありませんでした。
「次は10年後だよ、みな元気でいてね!」この日の幹事の言葉に相槌を打ちながらお開きに。
今は元気だけど、10年後大丈夫かしら?と思わないでもない私でした。
きつく叱られたり、「おい!飲みに行くぞ」と慰められたり、昨日の事の様に思い出されます。
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